有罪判決 いろいろある刑罰の種類

スポンサードリンク

有罪判決 いろいろある刑罰の種類

刑罰の種類と罪刑法定主義

わが国の刑法においては、刑罰の種類として、死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料・没収の七つが定められています。このうち、死刑は生命刑、懲役・禁錮・拘留は自由刑、罰金・科料・没収は財産刑と呼ばれます。

 

 

ある犯罪をおかした場合に、どの刑罰が科されるのかは、あらかじめ刑法をはじめとする法律で定められています。別のいい方をすれば、法律で定められている以外の理由で刑罰を科されることはないということです。

 

 

これを罪刑法定主義といいます。たとえば、殺人をした者は、刑法により殺人罪として死刑または無期もしくは三年以上の懲役に処せられます(刑法一九九条)。

 

 

 

懲役・禁錮

懲役とは、犯罪をおかした者に与えられる刑罰の一種で、監獄に拘置して定役に服させるものです。定役とは、刑務作業が義務づけられていることです。

 

監獄に拘置させる刑罰としては、ほかにも禁錮がありますが、これは、定役を科せられない点で懲役と異なります。

 

懲役には、有期と無期とがあり、有期懲役は、1か月以上15年以下の範囲で期間が決められるのが原則ですが、特別な事情がある場合には最高20年まで延長できます。無期懲役とは終身のものです。

 

【スポンサードリンク】

 

 

刑罰の決定・量刑

有罪の判決をする場合には、どのくらいの刑にするかを決めることになります。これを量刑といいます。

 

量刑をするにはいくつかの手順がありますが、まず法律で定められた法定刑が基準になります。たとえば傷害罪では、10年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料と定められていますから(刑法二〇四条)、これが出発点となります。

 

 

次に、いろいろな事情に応じてこの法定刑を修正します。たとえば、心神耗弱状態で犯罪をおかした場合には刑を軽くしますし、犯罪を繰り返した場合(再犯)には刑を重くします。

 

このような過程を経て基準となる刑の範囲が決まった後に、当該事件ごとの特殊性を考慮して裁判官が刑を決めます。

 

ここでは、犯罪が悪質なものかどうか、被害が重大なものかどうか、被害者の被害感情がどうか、犯罪の動機は何か、被害が回復されているかどうか、犯罪が社会にどのような影響を与えたか、被告人に前科があるか、被告人の反省の度合いはどうか、被告人の生活環境はどうか、被告人か更生できるかどうかなど、さまざまな要素が判断材料となります。

 

 

 

なお、検察官が量刑についての意見を述べることを求刑といいますが、裁判官はこの求刑に拘束されるわけではありません。もっとも、実務では、検察官の求刑に対して判決は七掛けか八掛けの量刑になることが多いようです。

 

 

 

 

疑わしいときは被告人の利益に

刑事裁判では「疑わしいときは被告人の利益に」という原則がとられています。すなわち、犯罪事実については検察官が証明しなければならず、有罪であることが合理的な疑いをいれないまでに証明されないかぎり、被告人は無罪とされるのです。この原則は無罪の推定ともいわれます。

 

 

合理的な疑いをいれないまでに証明するというのはわかりにくい表現ですが、要するに、神ならぬ人間が判断することですから100%の真実までは要求されませんが、通常人なら誰でも疑問を抱かない程度の確実さは必要だということです。

 

 

なお、昭和50年の白鳥事件で、最高裁判所は、再審の場合にも「疑わしいときは被告人の利益に」という原則が適用される旨を確認しました。

 

 

 

執行猶予・実刑

執行猶予とは、刑の宣告をしても一定期間内はその執行を猶予して、この期間内にさらに犯罪をおかさないかぎり、刑の執行をしないという制度です。

 

たとえば「懲役1年・執行猶予3年」という判決の場合は、執行猶予期間の3年以内にさらに犯罪をおかさなければ、結局、懲役1年という刑は執行されません。

 

これに対して、執行猶予期間の3年内にさらに別の犯罪をおかすと、執行猶予が取り消されて、懲役1年という刑に服すことになります。もちろん、執行猶予期間中におかしてしまった犯罪についても刑罰が科されます。

 

 

執行猶予がつけば現実には刑務所に行かなくてもすむ場合が多いわけですから、執行猶予がつくかつかないかは、天と地の開きがあります。執行猶予がつかない有罪判決を実刑判決といいます。

 

執行猶予は、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金の言渡しを受けた者に対して、前に禁錮以上の刑に処せられたことがないか、処せられたことがある場合でも、執行の終了または免除がなされてから五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことのないことを条件に、情状によって、1年以上5年以下の猶予期間を与えることができるものとされています。

 

 

どのような場合に執行猶予がつけられるかはケースーバイーケースですが、犯罪をおかした動機に同情の余地があるとか、刑務所に収容するよりも社会生活を送りながら更生させる方が本人のためになる場合に執行猶予がつけられることが多いようです。

 

 

スポンサードリンク

【スポンサードリンク】