明るみに出た企業と総会屋との黒い関係

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明るみに出た企業と総会屋との黒い関係

企業と総会屋の癒着

最近、総会屋に関するニュースをよく耳にします。特に、大手証券会社や百貨店など日本を代表する大企業までもが総会屋と癒着していたとの報道は、大変ショッキングなものでした。

 

ところで、公務員に金品を渡せば贈賄罪となって処罰されますが、総会屋は株主の権利を濫用して不当な利益をはかる者であって、公務員ではありません。では、総会屋に利益供与することがなぜ許されないのでしょうか。

 

これを理解しないと、総会屋に関するニュースがわかりにくいものになってしまいます。

 

わが国に総会屋が誕生したのは、商法が制定された明治時代以降であるといわれています。当時は、会社のしくみを十分に理解する者が少なかったので、株主の権利を行使するために株主総会で発言する者を必要とするといった考え方もありました。総会屋のなかには、ある種の誇りをもっていた者もいたそうです。

 

 

ところが、次第に総会屋は、わずかばかりの株式を取得して株主総会に乗り込んで、議事を妨害し、株主総会を混乱させることを通じて、こういった事態を避けたいと願う会社側に対して不当な利益を要求るようになります。

 

また、会社側としても、株主からの厳しい質問や会社役員に対する責任追及などをかわし、株主総会を円滑に進める手段として、積極的に総会屋を利用するようになります。

 

 

 

特に会社に何粗かの問題があり、株主総会において車掌が一般株主からつるし上げを食う可能性が高い場合には、そうした一般株主の発言を遮断する道具として総会屋が利用されました。株式を公開する企業に対して、幹事証券会社が総会屋を紹介したこともあったようです。

 

このように企業側に立って株主総会を円滑に進行させるために動員される総会屋を、与党総会屋と呼びます。

 

総会屋は1970年代に全盛時代を迎えますが、昭和56年の商法改正で利益供与の禁止規定が設けられた後は、その数が減少します。

 

利益供与の禁止とは、会社が株主の権利行使に関して利益を供与することを禁止したもので(商法二九四条ノニ)、これに違反した取締役などはむろん、利益を受けた者も6か月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます(商法四九七条)。

 

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ところが、その後も総会屋と企業の癒着はなくなりませんでした。むしろ商法による取締りを契機にす。さらに、総会川が暴力団などと糾江し、暴力か背景にして企業に圧力をかけることも行われるようになります。

 

 

一般の人にわかりにくいのは、総会屋に対して、なぜ企業がこれまで毅然とした態度をとってこなかったかということです。

 

真相は不明ですが、企業の側にどうしても隠しておきたいスキャンダルがあったのだと思われます。総会屋と手を切るということは、スキャンダルが公になる危険を伴うわけです。

 

また、一度総会屋と関係をもってしまうと、そのこと自体が不正行為であり処罰されますから、企業が総会屋との絶縁を決意したとしても、警察などへの相談は躊躇される傾向にありました。

 

 

 

そこで、平成6年に警察庁は、企業が総会屋との絶縁に努めるならば過去の利益供与は問わないといった異例の方針を発表したことがあります。この方針のもとに警察は、企業を取り締まることよりも、むしろ企業との協力体制をとりながら総会屋を封じ込める方法を選び、ある程度の成果を上げつつありました。

 

 

しかし、それにもかかわらず、依然として総会屋との縁を切っていない企業が発覚し、企業と警察の協力体制に水を差す結果となりました。今後は、総会屋との絶縁に消極的な企業に対しては、より一層厳しい措置がとられるものと思われます。

 

 

 

株式代表訴訟で役員への責任追及

総会屋の問題は、株主代表訴訟でも取り上げられるようになりました。総会屋への利益供与は会社の金を流用して行われるものですから、会社に対して損害を与える行為であることは明白です。

 

したがって、これに関与した会社役員は、株主から株主代表訴訟を提起され、個人としての損害賠償責任を追及されることになります。

 

 

もっとも、総会屋とのやりとりは秘密裡に行われるのが通常でしょうから、株主代表訴訟で訴えられた会社役員は、自分は総会屋との癒着を知らされていなかったと反論することも考えられます。

 

 

しかし、仮にそうであったとしても、会社役員として本来果たすべき監視義務の違反を問うことは十分できると思われます。今後の裁判で、裁判所がこの問題にどのような判断をするのか、興味がもたれるところです。

 

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