陪審制 市民の代表が裁判を行う

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陪審制 市民の代表が裁判を行う

陪審制のしくみ

アメリカの裁判制度の特色は、陪審制が採用されていることです。陪審員は、一般市民のなかから抽選で選ばれて、一定の期間、裁判を行います。

 

 

刑事事件における陪審は、大陪審と小陪審にわかれ、前者は起訴陪審、後者は審理陪審とも呼ばれます。

 

 

大陪審では、検察官の提出した証拠や関係者の証言をもとにして、被疑者を訴追すべきか否かを判断します。大陪審は捜査にかかかるものであるため、内容は公開されません。

 

 

 

小陪審では、被告人と検察官双方の主張立証をもとにして、有罪か無罪かの評決を下します。小陪審は通常12一人の陪審員で構成され、この12人の意見が全員一致した場合にのみ評決を下すことができます。

 

したがって、一人でも合意に達しない場合には、評決不能となってしまい、新たに12人の陪審員を選んで裁判を最初からやり直さなければなりません。

 

 

被告人が無罪となった場合、わが国では検察官が判決に不服であれば控訴することができますが、陪審が無罪の評決をした場合には、もはや検察官は控訴することができず、無罪が確定します。

 

 

これは、陪審員は市民の代表者であり、その決定は絶対的なものであると考えられているからです。もっとも、それと同時に被告人の権利も最大限に保障されていますから、陪審が有罪の評決をした場合には、被告人には控訴の権利が認められています。

 

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民事事件においても、トライアルと呼ばれる公判手続きにおいて陪審が評決を下します。評決はやはり全員一致が原則であり、原告の請求を棄却するか否か、支払うべき金額はいくらかなどの事柄について陪審が判断します。

 

 

陪審員は、一定の期間、仕事を休んで裁判所に通わなければなりませんが、これは国民の義務を果たしているわけですから、陪審員に任命された者の雇用者はその休職期間を有給にしなければならないとされています。しかし、実情では満足に給与の支給を受けられない例も多いようです。

 

 

なお、わが国でも大正匸一年の陪審法によって陪審制が実施されていた時期がありましたが、陪審を希望する者が次第に減少してしまい、昭和一八年以後は停止されて今日に至っています。しかし、近年は、司法への国民参加の一方法として陪審制を再評価する動きが強まっています。

 

 

 

陪審員の選定

陪審員の選定において神経を使うのが、人種と性別による差別をしないということです。アメリカの南部では、近年まで、黒人が陪審員に選任されることが妨げられてきました。

 

 

また、女性に参政権が認められた後も、多くの州でなお女性陪審員を認めませんでした。ようやく連邦およびすべての州で女性陪審員が認められたのは、一九七二年のことです。

 

 

しかし、制度的には差別が禁止されても、運用面での差別は依然として残っているようです。特に、陪審員が事件に対する予断や偏見をもっていては困るので、これを事前に審査する予備審問において、特定の人種を陪審員から排除することが行われてきました。

 

 

これに対して裁判所は憲法違反であるとしましたが、差別問題の根は深く、一九九二年のロサンゼルス暴動も、黒人を殴打した白人警官に対して、白人からなる陪審が無罪の評決を下したことがきっかけとなりました。

 

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