スポンサードリンク

裁判所の種類と取り扱い事件

あらためていうのも変ですが、裁判は裁判所で行われます。わが国の裁判所には、最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所、簡易裁判所、家庭裁判所の五つの種類があります。

 

 

最高裁判所

国家の統治権は、立法権、行政権、司法権の三権に分かれています(三権分立と呼ばれます)が、このうち司法権を担当するのが最高裁判所を頂点とする裁判所組織です。

 

最高裁判所は日本に一つしかありません。東京都千代田区隼町の、国立劇場の隣のりっぱな建物が最高裁判所です。

 

最高裁判所の裁判官は、1人の最高裁判所長官と14人の最高裁判所判事の合計15人で構成されています。この15人の裁判官は、判事、検察官、弁護士、大学教授その他「識見の高い、法律の素養のある年齢40年以上の者」から選ばれると定められています。

 

 

最高裁判所は、大法廷もしくは小法廷で審理・裁判をします。大法廷は、15人全員の裁判官で構成されます。小法廷は5人の裁判官で構成され、第一小法廷、第二小法廷、第三小法廷の三つに分かれています。

 

もっとも、これはランクがつけられているわけではなく、どの小法廷も同じ地位にあります。ただ、構成する裁判官が異なりますから、ものの考え方や価値観の違いによって判断結果が異なる可能性かおることは否定できません。

 

 

最高裁判所はおもに高等裁判所の判決に不服があって上訴された事件(上告事件)を扱います。事件はまず小法廷で審理されますが、法令などが憲法に適合するか否かを判断する場合や、過去の判例に抵触するおそれがある場合など、重要なことがらを決めるときには大法廷で審理されます。

 

 

特に憲法違反の裁判をする場合には、八人以上の裁判官の意見が一致することが要求されています。

 

最高裁判所は、憲法八一条に規定されているとおり、「一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所」であり、国家権力による人権侵害を是正する大きな役割をになっています。

 

このように最高裁判所には重要な権限が与えられていることから、独善に陥らないように国民が監視する必要があります。そこで、衆議院議員総選挙の際に、最高裁判所裁判官に対する国民審査があわせて実施されています。

 

もっとも、この国民審査については、有権者にあまり情報が与えられていないことから、それほど関心がもたれていないのが実情のようです。

 

【スポンサーリンク】

 

高等裁判所

高等裁判所は、東京、大阪、名古屋、広島、福岡、仙台、札幌、高松の合計8か所におかれています。

 

高等裁判所は主として一審判決に不服があって控訴された事件(控訴事件)を扱います。全国に八か所しかありませんから、各高等裁判所は、それぞれが受けもつ地域(管轄区域)で提起された控訴事件を広範囲に担当することになります。

 

 

たとえば、新潟地方裁判所でなされた一審判決に対する控訴事件も東京高等裁判所が担当することになっています。 高等裁判所では、通例、10年以上の経験のあるベテラン裁判官が配属され、3人の裁判官の合議体で審理・裁判が行われます。

 

 

 

地方裁判所

地方裁判所は、各都府県に1か所と北海道に4か所(札幌、函館、旭川、釧路)おかれています。そして、地域の特殊性などを考慮して、さらに支部が設けられています。
たとえば、束京地方裁判所には八王子支部がおかれており、八王子市、町田市、多摩市などの地域における事件はこの支部で扱われます。

 

地方裁判所は、簡易裁判所が裁判権を有する事件以外の訴訟の第一審を広く扱います。また、民事訴訟の場合には、簡易裁判所の判決に対する控訴事件も地方裁判所が扱います。

 

地方裁判所は判事と判事補で構成され、原則として一つの事件は1人の裁判官が扱います。判事補というのは、裁判官になって10年未満の者です。もっとも、複雑な事件や重大な事件の場合には、3人の裁判官の合議体で審理・裁判が行われます。

 

 

 

簡易裁判所

簡易裁判所は、比較的軽微な事件を簡易・迅速に処理することを目的として設置された裁判所です。

 

民事事件では、訴訟の目的の価額が90万円以下の事件などが扱われ、刑事事件では、罰金以下の刑にあたる罪についての事件などが扱われます。

 

 

簡易裁判所では、一つの事件は1人の裁判官が扱います。簡易裁判所判事の資格も、原則として他の裁判所の場合と同様です。ただし、例外として、長年にわたって司法事務(裁判所書記官など)にたずさわった学識経験のある者も、簡易裁判所判事に任命されることがあります。

 

なお、簡易裁判所には、司法委員と呼ばれる民間人が配属されており、和解などを行う際に裁判官を補助する役割を果たしています。

 

 

 

家庭裁判所

家庭裁判所は、家庭に関する事件や少年事件などを専門的に扱う裁判所です。地方裁判所の各管轄区域ごとに、家庭裁判所もそれぞれ設置されています。

 

家庭裁判所では、原則として、一つの事件は一人の裁判官が扱います。

 

家庭裁判所では、家事審判と家事調停という手続きにより、夫婦間の紛争や親子間の紛争など家庭内の紛争が広く扱われます。たとえば、離婚をする際に夫婦間で話合いがまとまらない場合には、家庭裁判所に対して離婚の調停を申し立てることになります。

 

 

家庭裁判所には、家庭に関する事件や少年事件など、扱う事件の特殊性への配慮から、家庭裁判所調査官が配属されています。家庭裁判所調査官は、専門的な訓練を受けており、必要に応じて事件に関する調査などを遂行し、事件の本質を解明する重要な職務をになっています。

スポンサードリンク

トップへ戻る