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裁判に関わる人たち−裁判官

裁判官の種類

裁判は、裁判官と呼ばれる公務員が主体となって行います。裁判官には、最高裁判所長官、最高裁判所判事、高等裁判所長官、判事、判事補、簡易裁判所判事の六種類があります。

 

多くの裁判官は、国家試験の中でももっとも難しいとされている司法試験に合格し、1年6か月の司法修習を終了すると、まず判事補に任命されます。そして、判事補として10年の経験を積んだ後に、判事に昇格します。

 

 

判事は単独で判決をすることができますが、判事補は単独で判決をすることができません。したがって、判事補は、3人の裁判官で構成される合議体の一員として判決に参加することができるにすぎません。

 

 

判事補は、通常、法廷の壇上では中央に座っている裁判長から見て左側(傍聴席から見ると右側)に座っていますので、左陪席と呼ばれています。ちなみに、裁判長から見て右側(傍聴席から見ると左側)に座っている裁判官を右陪席といい、中堅の裁判官があたることが多いようです。

 

 

 

もっとも、判事補の職権の特例等に関する法律によって、判事補として在職5年以上で最高裁判所によって指名された者は、特別に判事と同じ権限を与えられており、単独で判決をすることができます。この判事補を特例判事補といいます。

 

なお、判決以外の裁判(決定・命令)は、判事補でも単独ですることができます。

 

 

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担当する裁判官の数

地方裁判所では、原則として、一つの事件を1人の裁判官が担当することになっていますが、複雑な事件や大きな事件などの場合には、3人の裁判官が担当することがあります。

 

その場合には、3人の裁判官が評議を行って判決の内容を決めることになりますが、その決め方は、原則として過半数の意見によるものとされています。

 

また、刑事事件では、死刑または無期もしくは短期1年以上の懲役もしくは禁錮にあたる罪についての事件については、必ず3人の裁判官が担当することになっています。

 

高等裁判所では、原則として3人の裁判官が担当します。これに対して、簡易裁判所では、どの事件でも一人の裁判官が担当します。

 

最高裁判所の大法廷は15人の裁判官が、小法廷は5人の裁判官が担当します。

 

 

 

担当する裁判官の決定

裁判官も各人がそれぞれ個性をもっていますし、若手からベテランまでさまざまな裁判官がいます。自分の事件をどの裁判官が担当するのかは、当事者にとっては気になるところです。

 

そこで、恣意的に担当裁判官が決められては困ることから、機械的に各裁判官に事件が割り振られるしくみになっています。つまり、下級裁判所事務処理規則に基づいて、あらかじめ、事件の受付と同時にこの事件はどの裁判官が担当するかについて自動的に確定するように事務分配のルールが定められているのです。

 

なお、規模の大きな裁判所では、いくつかの専門部が設置されており、特殊性のある事件については集中的にその部の裁判官が担当することになります。

 

たとえば、東京地方裁判所では、交通事故に関する訴訟は交通部(民事第二七部)が担当することになっています。

 

 

 

裁判官の交代

裁判官は、どちらの当事者の味方をすることなく、公平に職務を行わなければなりませんから、一定の場合には、法律上当然に当該事件を担当することができないことになっています。

 

たとえば、裁判官自身または裁判官の配偶者が事件の当事者であったり、裁判官が事件の当事者と一定の親族関係にある場合などです。このような場合を除斥といいます。

 

 

それ以外にも、裁判官が不公平な裁判をするおそれがある場合には、当事者から裁判官の忌避の申立てをすることができます。忌避の申立てがあると、この申立てに理由があるかどうかを、ほかの裁判官が審理します。忌避の申立てに理由があると判断された場合には、当該裁判官は事件の担当からはずされます。

 

問題となるのは、どのような場合に忌避の理由があるかです。たとえば、裁判官が当事者と婚約中であるとか、事件の勝敗に特別の利害関係をもっているといったような場合には忌避されてもやむをえないでしょうが、自分の主張に十分耳を傾けてくれないとか、あるいは、自分の提出した証拠を採用してくれないといった程度では足りません。

 

したがって、裁判官と相性が悪いというのは、忌避の理由にはなりません。なお、このような除斥や忌避の制度は、裁判官だけでなく裁判所書記官にも適用されます。

 

 

 

裁判官の転勤

民事裁判にはかなりの期間を要することが少なくありません。したがって、審理の途中に担当裁判官が転勤してしまったり、場合によっては死亡したり退官してしまうことも生じてきます。

 

交代後の裁判官は、それまでの審理に関与していないわけですから、正しい判決が書けるのかという疑問が生じます。この点を重視するならば、裁判官が交代した場合には審理をはじめからやり直すべきだということになりそうです。

 

しかし、それでは同じことを繰り返すことになってしまい、時間的にも労力の面からも無駄が多すぎます。

 

そこで、民事裁判においては、弁論の更新といった手続きがもうけられています。弁論の更新とは、裁判官の交代があった場合に、従前の審理の結果を当事者が新しい裁判官に報告することです。かなり技巧的ですが、この手続きを踏むことによって、交代後の裁判官は従前の審理にも関与していたとみなされるのです。

 

ところが、実際には、弁論の更新手続きは簡略化されており、形だけのものになっています。したがって、事件を引き継いだ裁判官は、従前の審理の様子を記録から読み取ることになります。

 

刑事裁判においても、民事裁判の場合と同様の趣旨で、裁判官が交代したときには公判手続きの更新という手続きが行われます。

 

 

 

裁判官の法服

法廷では、裁判官は黒い法服を着用しています。法廷は、手続きが厳粛に秩序正しく行われなければならない場所であることから、昭和24年に制定された規則によって法服の着用が義務づけられています。

 

法服の色が黒とされたのは、黒がほかの色に染まることはないということから、公正さをあらわす色として最もふさわしいと考えられたからであるといわれています。

 

ちなみに、法廷では、裁判官だけでなく裁判所書記官も黒い職服を着用していますが、よく見ると、裁判官の法服とはデザインが違っています。

 

 

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