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公判手続き  証拠調べ手続き

証拠調べ手続き

冒頭手続きが終わると、これに引き続いて証拠調手続きが行われます。

 

証拠調べ手続きは、被告人が有罪か無罪か、有罪の場合には刑の重さを決めるための審理をする手続きであり、公判手続きのなかでは中心的な手続きです。

 

証拠調べ手続きは、まず最初に検察官の冒頭陳述から始まります。冒頭陳述は、検察濆が公判で証明しようとしている事実を詳細に述べる手続きです。

 

起訴状に記載されている公訴事実は、・誰が、・いつ、・どこで、・何をまたは誰に対して、・どのような方法で、・何をしたか、といった必要最小限度の事実を示したものにすぎません。

 

したがって、検察官は、冒頭陳述によって具体的な事実を摘示して、裁判官に対して事件の全貌を明らかにするのです。

 

また、被告人・弁護人としても、冒頭陳述によって検察官の考えていることが示されますから、具体的な対策を立てることが可能になってくるわけです。

 

冒頭陳述の内容は、被告人の経歴、犯行に至る経緯、犯行の状況などの項目に分かれているのが通常です。

 

 

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証拠調べの請求

冒頭陳述が終わると、検察官は証拠調べの請求をします。

 

この手続きは、検察官が冒頭陳述で述べた事実を証明するために必要な証拠を公判手続きで取り調べてもらうように申し立てる手続きです。

 

通常、検察官は、

  • 犯行に使われた凶器
  • 現行犯人逮捕手続書
  • 捜査報告書
  • 実況見分調書
  • 診断書
  • 被害者の供述調書
  • 目撃者の供述調書
  • 被告人の供述調書

などのさまざまな証拠の取調べの請求をします。こうした各種の証拠は、証拠等関係カードと呼ばれる一覧表に整理されて、裁判官と弁護人に配られます。

 

検察官から証拠調べの請求がなされると、次に、裁判長は、弁護人に対して意見を求めます。

 

これは、検察官が取調べの請求をした各種の証拠のそれぞれについて、そのまま取調べをしてもよいのかどうかについて、弁護人の意見をきく手続きです。

 

弁護人は、検察官から取調べの請求のあった各証拠について、特に異議がないものについては「同意します」と回答します。これに対して、異議があるものについては「不同意です」とか「異議があります」と回答します。

 

 

弁護人が同意した証拠については、そのまま証拠として採用され、取調べの対象となりますが、同意されなかった証拠については、検察官は別の方法を考えなくてはなりません。

 

たとえば、被害者が警察で取調べを受ける際に作成された供述調書が不同意とされた場合には、この調書を証拠として使うことができなくなりますから、検察官は、必要に応じて被害者の証人尋問手続きを新たに申請することになります。

 

 

 

要旨の告知

さて、取調べの対象となる証拠が決まると、いよいよ証拠調べが行われます。

 

証拠のうち、供述調書や捜査報告書などの書類については、検察官が朗読をします。ただし、これらの証拠書類を最初から最後まで一字一句全部朗読すると大変時間がかかってしまいますから、実務上は、検察官が重要な部分だけを要約して拾い読みするのが通例となっています。これを要旨の告知といいます。

 

 

証人尋問

証人尋問が行われる場合には、まず、裁判長が証人に氏名、住居、年齢、職業を尋ねて、人違いでないかどうかを確認する手続きから始まります。

 

そして、証人は、良心に従って真実を述べることを宣誓します。これは宣誓書を朗読する方法で行われます。

 

宣誓が終わると、まず、証人を申請した側から尋問が始まります。これを主尋問といいます。検察官が申請した証人については、検察官が主尋問を行うわけです。

 

尋問は、一問一答で行われます。

 

主尋問においては、質問する者と質問を受ける者とが味方の関係にあることが多いので、中立的ではなく、かたよった証言をする危険性があります。したがって、誘導尋問(質問の中に答えが暗示されている尋問)などが原則として禁止されています。もし誘導尋問などがなされた場合には、相手方から異議の申立てが行われ、裁判所によってその当否が判断されます。

 

主尋問が終わると、次に相手方(検察官が主尋問をしたときは弁護人、弁護人が主尋問をしたときは検察官)が尋問をします。これを反対尋問といいます。反対尋問は、主尋問にかくされた事実をあばいたり、証人の弾劾に効果をあげるなど、華麗な面が強調されがちですが、実際には容易なことではありません。

 

反対尋問が終わると、証人を申請した側にもう一度尋問する機会が与えられます。これを再主尋問といいます。

 

当事者からの尋問がひととおり終わると、必要に応じて裁判官からの尋問が行われます。

 

以上の尋問の結果は、書記官によって調書に記載されます。通常は、書記官によってポイントが要領よくまとめられた調書が作成されることが多いのですが、重要な事件であるとか、複雑な事件の場合には、速記官が速記録を作成して、尋問の結果を二言ももらさず調書に残すこともあります。

 

 

 

被告人質問

被告人本人に対して質問する手続きを被告人質問と呼びます。これは証人尋問に準じた方式で行われます。

 

もっとも、被告人には黙秘権などの権利が認められていますから、答えたくない質問には答えなくてもよいですし、宣誓の手続きも行われません。

 

被告人・弁護人が公訴事実を争っている場合には、被告人質問が大きなヤマとなります。特に無罪を主張しているような場合には、なぜ自分が無罪であるのかについて、被告人質問の機会に合理的な説明をする必要があります。こうした場合には通常、検察官から厳しい反対尋問が行われ、法廷内が緊迫した雰囲気となります。

 

これに対して、被告人・弁護人が公訴事実を争わない場合の被告人質問は、被告人が反省していること、被告人の生い立ちや生活環境、将来における生活設計などの情状面(刑の重さに影響を与える事情)の立証が中心になります。

 

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