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訴訟社会アメリカの裁判所と裁判官

日本と比べものにならない訴訟件数

かわいがっていた猫を洗ってオーブンに入れて乾かそうとして死なせてしまった婦人が、オーブンに「猫を乾かしてはいけない」という表示がなかったことを理由にメーカーを訴えた事件があったそうですが、アメリカでは膨大な数の訴訟がおこされ、社会問題となっています。

 

1990年には、約1840万件の民事訴訟事件が連邦および州の裁判所におこされたといわれています。

 

同じ年のわが国における、最高裁、高裁、地裁、簡裁の民事訴訟事件の合計が約22万5千件ですから、アメリカの人口が日本の二倍以上であるといった要素を考慮に入れたとしても、その事件数がいかに多いものであるかがよくわかります。

 

 

 

アメリカの裁判所

アメリカは50の州で構成される連邦制国家であり、裁判所も、連邦の裁判所と州の裁判所があります。この連邦裁判所と州裁判所は、上下関係にあるわけではなく、それぞれの裁判制度は、基本的には独立し、並立しています。

 

 

そして、どのような事件について連邦裁判所に裁判権があるのかについては、合衆国憲法または連邦の制定法によって定められており、それ以外の事件については州裁判所に裁判権が認められています。

 

 

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連邦裁判所が裁判権を有する事件のうち通常の民事事件においては、日本と同様、三審制がとられています。すなわち、合衆国地方裁判所(連邦地裁)、合衆国控訴裁判所(連邦高裁)、合衆国最高裁判所(連邦最高裁)の三審制です。

 

 

連邦地裁は、アメリカ本土を91の地区に分けて、それぞれに一つずつおかれ、さらにプエルトーリコなどの本土以外の地区にも3つおかれていますから、合計94あります。

 

これに対して、州裁判所は、各州の憲法および法律によって異なった制度になっています。州によっては、三審制ではなく二審制をとっているところもあり、裁判所の名称もさまざまです。

 

 

 

アメリカの裁判官

日本の裁判官は政治的に中立で、司法研修所を卒業後、若くして任官し、65歳の定年で退職するというのが一般的ですが、アメリカの裁判官はかなり異なります。

 

 

たとえば、連邦地方裁判所の裁判官は、大統領が上院の助言と同意により任命するものとされています。

 

実際上は、大統領と同じ党の上院議員が、空席が生じた地区の所在する州の裁判官や弁護士の中から候補者を推薦しますが、この推薦によってほとんど決まります。

 

 

したがって、裁判官に任命されるためには、大統領と同じ党派に属しているほうが有利となります。このように裁判官の任命は政治的色彩の濃いものとなっています。

 

通常、任命される連邦地方裁判所の裁判官は、弁護士の経験を経て法曹としての実績を積んだ四〇歳以上の者です。また、善行を保持するかぎり在職することができ、定年はありません。

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